Love Songを君に【Ansyalシリーズ TAKA編】



背後から何度も繰り返し押し寄せられる
重みに必死に耐えながらも、
縋るようにステージを見つめる。


今はアンコール待ちで
ステージには
スタッフの姿しか見えない。


「唯香。
 
 大丈夫……?」


親友の百花(ももか)が
ツアーグッズのマフラータオルで
少し汗を抑えながら……
窮屈な会場内、
チラリ私の方を見る。



「大丈夫・大丈夫。

 意地でも……
 絶対、動かないんだから」


地面に踏みしめる両足に力を入れて……
腹筋・背筋も一杯一杯……
気合を入れて……。

暗転のステージに向かって……
お気に入りのあの子の名前を呼ぶ。
< 4 / 613 >

この作品をシェア

pagetop