Love Songを君に【Ansyalシリーズ TAKA編】
背後から何度も繰り返し押し寄せられる
重みに必死に耐えながらも、
縋るようにステージを見つめる。
今はアンコール待ちで
ステージには
スタッフの姿しか見えない。
「唯香。
大丈夫……?」
親友の百花(ももか)が
ツアーグッズのマフラータオルで
少し汗を抑えながら……
窮屈な会場内、
チラリ私の方を見る。
「大丈夫・大丈夫。
意地でも……
絶対、動かないんだから」
地面に踏みしめる両足に力を入れて……
腹筋・背筋も一杯一杯……
気合を入れて……。
暗転のステージに向かって……
お気に入りのあの子の名前を呼ぶ。