Love Songを君に【Ansyalシリーズ TAKA編】
「あぁ、また可愛いことしちゃって。
お姉さんが、遊んであげるから」
「何?
唯ちゃんが……
俺と遊んでくれるの?
どんな遊び?」
何気ない、
じゃれ合いの言葉が
今はとても心地よくて優しい。
「もう、雪貴ったら」
遊びを大人の世界の
イメージへと変換したのか、
赤面させつつ、照れくさそうに
俺の隣から立ち上がった。
鞄の中から、
何時の間に準備していたのか
取り出した赤い林檎。
勝手知ったる、病室の引き出しから
果物ナイフを取り出すと、
クルクルと器用に皮をむいていく。
ツルンと皮がむけた林檎を、
今度は器用にすりおろして、
テキパキと仕上げていくのは、
唯ちゃんお手製の100%林檎ジュース。
果実入りの林檎ジュースを早々に仕上げると、
マグカップにうつして、
俺の前へと差し出す。
「はいっ。
ちゃんと飲むんだぞ」
マグカップは、
唯ちゃんの手によって、
俺の両手にすっぽりと
はめ込まれる。