Love Songを君に【Ansyalシリーズ TAKA編】
8. 訪れた闇 変わらない毎日 - 唯香 -
百花が交通事故にあい、
緊急搬送された。
ようやく雪貴が
笑ってくれるようになって
少しずつ、いつもに
戻ってきたって思ってたのに。
土気色した百花の隣、
手を握って、
ぼーっと見つめる。
「唯ちゃん、
そろそろ帰ろうか……」
百花の傍から動けないで居る私に、
雪貴が背後から声をかけて
ゆっくりと体を抱え上げる。
「託実さん……。
じゃ、俺……
唯ちゃん連れて帰ります」
私の向かい側、
同じように百花の手を握りしめて
ずっと目覚めるのを
待ち続けてる託実さんに声をかける。
「あっ、あぁ。
雪貴、唯ちゃん、有難う」
託実さんの声を受けると、
雪貴は、そのまま託実さんに一礼して
私の肩腕をまわして病室から連れ出す。
……バカみたい……。
いつもと同じ繰り返し。