Love Songを君に【Ansyalシリーズ TAKA編】
10.退院 - 唯香 -
季節は過ぎて六月。
百花はようやく、
退院出来るまでに回復した。
知らない間に、
ガッツリと結ばれていた
百花は入院中から
ある意味VIP待遇。
何気なく出入りさせて
貰っていた建物が、
身内専用の特別室だと知った時は
正直絶句した。
まっ、そう言う私も距離を
縮めてたわけだから
何も言える立場ではないけど、
病室も雲泥の差。
百花の病室には、何時行っても
託実さんの姿がある。
見ているだけで、
二人とも幸せそうで
『ごちそうさまでした』って
言いたくなるくらいの
ラブラブぶり。
ちなみに百花の両親までもが、
託実さんとの交際を
応援しちゃってるわけで
その時点で、
私はすでに出遅れ気味。
雪貴の両親は
私を受け入れてくれてるけど、
私はまだ、自分の両親に
何も報告できないでいた。
「唯ちゃん、さぁ行こうか」
朝、出勤準備を整えた私の前には
学校に復学した雪貴。