Love Songを君に【Ansyalシリーズ TAKA編】
「もしもし」
「おっ、居た。
何、そっち今何してるの?」
電話の主は、
親友である音弥。
「何って今ピアノ三昧の
時間から解放されて
学校の宿題中だけど」
「大変そうじゃん」
「まぁ、ほどほどにわね。
それで、今日はどうかした?」
「雪貴のご機嫌伺い。
唯ちゃん、定例便。
ってか、新学期から大変そうだよ。
社会の本浦が産休に入って、
変わりに来たのが、
土岐って言う男。
自己紹介早々、宣戦布告か
唯ちゃんとは昔付き合ってたとか、
言い出してさ、クラスの奴ら怒らせて」
音弥のその一言に、
俺自身もピキっと怒りゲージが上昇する。
「それで?
唯ちゃんはなんて?」
「何、唯ちゃんから雪貴きいてないの?
てっきり知ってると思ってたけど」
「電話、捕まらないから。
唯ちゃんは元気してる?」
「とりあえず表向きは。
土岐ってヤツが来てから、
なんかいつもと違った感覚って言うか。
雪貴、なんか知ってる?」
何か知ってるって言われても、
答えられるはずもないけど、
音弥のその言葉に、
不安だけは大きくなっていった。
「音弥、唯ちゃんの事頼むよ。
連絡、有難う。
今から唯ちゃんにメールしてみるから」
「うん。
じゃ、お前も頑張れな」
「そっちも宜しく」
親友との電話を終えて、
そのまま唯ちゃんへと再度メールを打った。