Love Songを君に【Ansyalシリーズ TAKA編】
「唯香、ちょっと生きてる?
アンタ、何時までお風呂入ってるの。
長風呂もいいけど、
風呂の中で泣き崩れるくらいなら、
どうしてもっと早く頼ってこないの」
いきなれお風呂のドアが
ガラガラと開けられて
顔を見せたのは百花。
百花はツカツカとお風呂の中に入ってくると、
私の髪を撫でながら、『バカ、唯香』
そう言ってバスタオルを放り投げた。
「ごめん……百花」
百花に差し出された手に支えられるように
出ることが出来なかったお風呂から
起こして貰う。
やっぱり……そういう時は、
百花なんだ。
私の行動をよく知ってるからこそ、
百花は危険も顧みずに、
お風呂の中まで迎えに来てくれた。
そんな気がした。
お風呂を出た私の前には、
十夜さんと託実さんと憲さん。
そして百花。
来夢さんはわざと
席をはずして
別の部屋にいるようだった。
「今、百ちゃんから聞いた話を
託実から聞いて決めた。
唯ちゃん、暫くここから学院通勤。
唯ちゃんの送迎は
紀天がしてくれるってさ」
思いがけない提案に、
たた頷くばかり。
「おっ、後な。
雪貴やけど、
託実の結婚式の前に帰ってこれそうや。
惣領国臣のリサイタルのスタッフやて。
あの人も、やりおるな」