Love Songを君に【Ansyalシリーズ TAKA編】



「お願いします」


一人、深々と頭を下げて
送り出した。



それから30分ほどして、
祈さんが俺の部屋に訪ねてくる。


AnsyalのTV出演。



それはAnsyalのメンバーからの
俺と唯ちゃんへのプレゼント。
 


公に俺が弁明する時間を作ってくれた。




そこで俺は……
大切な曲を演奏したい。




「祈さん。
 今日のTVで一曲手伝って貰えませんか?

 まだ歌詞とかもついてないし、
 ピアノとギターだけの荒削りな曲なんです。

 それでも許されるなら、
 その場でこの曲を演奏したい」


そう……この曲は、
生涯、唯ちゃんの為だけに演奏したいと
願う大切な曲。


「唯香さんの為の曲なんだね」


静かに告げた祈さんに、
俺も頷いた。



他のメンバーが帰ってくる間、
SNSの投稿サイトで公開していた
その曲を祈さんに聴いてもらって
二人でギターでのアレンジを進めていた。



その場所にピアノが持ち込めるか
どうかはわからない。


そして今は、オクターブ奏法が中心となる
その曲は手に負担がかかりすぎる。


ギターなら、そこまで
負担はかからないから。
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