Love Songを君に【Ansyalシリーズ TAKA編】



夢中でアレンジを続けたその曲が
完成したころ、
ゆっくりとドアが開かれた。



「お帰りなさい」




俺はギターを触る手を止めて、
慌てて三人の元へとかけていく。



すでに十夜さんの出立は、
先ほどのスーツ姿ではなく、
Ansyalモード。



「唯ちゃんは?」

「なんて顔してんの?
 雪貴、任せろって言うたやろ」


そう言って十夜さんは
俺にピースサイン。


十夜さんの後に
託実さんも言葉を続けた。


「唯ちゃんは今、裕兄さんが傍に居るよ。

 唯ちゃんが自分の身に起きた経緯を
 全て話してくれたから。

 ほらっ、そう言う後は
 精神的に不安定になるだろ。

 今日は、裕真兄さんのホテルで
 過ごすことに決まった」


唯ちゃんの身に
何が起きてたか知りたい……。


「唯ちゃん、何を抱えてたんですか?」


その質問に、
託実さんは真っ直ぐに答えてくれた。



土岐悠太と言う人物が、
過去に唯ちゃんと関わってた事実。

俺と付き合ってると言うことをネタに
唯ちゃんを脅して、
唯ちゃんを追い詰めていたこと。


必死に唯ちゃんが、
俺を巻き込まないように
守ってくれていたこと。


唯ちゃん、
今度は俺が守るよ。




いつも俺は唯ちゃんに守られてばかりだから……。




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