Love Songを君に【Ansyalシリーズ TAKA編】






出演時間が近づいて、
俺たちはとある
TVスタジオに出向いていた。





Ansyalからの告白。



そう題して緊急記者会見を
開いた一日限定復活。



託実さんと百花さんの結婚式の時の
復活を除いて、
公式な復活になった日だった。



フラッシュがたかれ、
次から次へとマイクが向けられる中、
俺たちは指定された椅子へと
ゆっくりと着席する。



まずは託実さんが、
託実さん自身が百花さんと結婚したことを報告し、
百花さんが現在、妊娠中であることも発表した。



それもビッグな報告だと思うのに、
マスコミたちの興味は、
今は俺と唯ちゃんの話題ばかり。



『Takaさんが
 先生を好きになったのは何時ですか?』

『どこで出会ったんですか?』

『雑誌に書かれたように、
 音楽教師に誑かされて、恋にはまったのですか?』


マスコミたちの質問は、
次から次へと暴言に近いものへと変わっていく。



「騒いどるところ悪いけど、
 ちょっと皆、静かにしてくれるか?

 今日はAnsyalの一日限り復活や。

 聞きたい質問にも、しっかりと答える。

 だからその前に、俺たちからの曲を聴いてください」



そうやって十夜さんが
強引に会場内のマスコミたちを
トークで抑え込む。

用意された椅子からゆっくりと立ち上がって、
隣接するステージへ。


スポットライトが眩しく降り注ぐ
小さな空間。




ゆっくりと紡がれた曲は、
兄貴が唯ちゃんにプレゼントした、
唯ちゃんが大好きな一曲。

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