ミラクルにいこう!
奇妙なペットの飼い方
茗花まひるは香西開発株式会社の購買課勤務のOLです。
大学の成績はよく2級建築士の資格も持っていたりするのですが、なぜか配属されたのは売上などを管理する購買課でした。
それでも、社内にあるたくさんの建材の見本や内装の模型などをながめるだけで幸せを感じています。
まひるの住まいは会社まで電車と徒歩あわせて1時間というところに位置する1LDKです。
入社2年目にすればぜいたくな住まいかもしれません。
しかも、女性に優しいといううたい文句付きのセキュリティもばっちりのマンションです。
というのも、まひるの実家は地元では伝統ある銘菓で有名な和菓子やさんを営んでいて、まひるはそこの長女です。
店そのものは兄の真琴が継いでいるので、まひるは今のところ好きなことをしていられるのですが、小さい頃から空想好きでかわいいもの、細かいものをいじくって遊ぶのが趣味で、もちろんかわいいデザインの和菓子にも興味があり、もちまえの器用さで自分で作ることもあり、料理もそこそこにできたりするのでした。
ですから20才頃にはお見合いの話もたくさんきたものでしたが、まひるはお見合いにはぜんぜん興味がなくて、マジックファンタジーというゲームの中の魔法剣士トムフルと舞台になっていた家模型にはまっていました。
マニアの間では家模型の中をあれこれアレンジしてユーザーの個性色いっぱいの空間を作ってHP上で見せ合うことが流行っていました。
魔法剣士トムフルはゲームの中では魔法で何度も家の中を模様替えしてしまうので、そこからトムの家をアレンジする遊びが流行りだしたようなのです。
就職が決まって、兄の真琴が結婚し、実家に居辛くなったまひるは大切なマジックファンタジーセットを抱えながら新しい自分の住まいへと引っ越していきました。
心配性な両親と兄夫婦そして仲のいい使用人たちはまひるの独立にかなり反対していましたが、結婚のこと以外でとくに我がままを言わなかったまひるの行いのおかげなのか結局、みんなそろって見守ることになってしまったようです。
そんな家族、親戚からも愛されて育ったまひるでしたが、職場ではパッとしない地味なOLな上、半年前から直属の上司がアメリカ帰りのエリートな男に代わって何かと仕事について文句を言われてしまう日々という生活になってしまいました。
「茗花!何回同じことを言わせるつもりだ。
電卓を使っているのにまた計算間違いかぁーーー?」
「す、すみません・・・。」
「なぁ、俺はおまえを委縮させているかぁ?
数人に前任者の上司とおまえとのことをきいてみたが、以前はミスは今より少なかったらしいじゃないか。」
「は、はぁ・・・」
「本来なら以前よりもっと仕事ができるようになってもらいたいというのが上司としての言葉なんだが・・・以前と同じくらいにはもどってもらわないとなぁ。」
「すみません。私にもどうしてだかわからないんですけど・・・。
計算がものすごく苦手じゃないはずなんですけど・・・。」
「じゃ、どうして間違ってばかりいるんだ?
俺をなめてかかっているのか?バカにしてるのか?」
「いいえ、滅相もない!
なんていうか・・・ふと意識がとんでしまうような感覚が起こってしまって・・・。」
「おい・・・居眠りか?いい度胸だな。
今日は失敗したところを残業して修正してもらうからな。」
「は、はい。」
大学の成績はよく2級建築士の資格も持っていたりするのですが、なぜか配属されたのは売上などを管理する購買課でした。
それでも、社内にあるたくさんの建材の見本や内装の模型などをながめるだけで幸せを感じています。
まひるの住まいは会社まで電車と徒歩あわせて1時間というところに位置する1LDKです。
入社2年目にすればぜいたくな住まいかもしれません。
しかも、女性に優しいといううたい文句付きのセキュリティもばっちりのマンションです。
というのも、まひるの実家は地元では伝統ある銘菓で有名な和菓子やさんを営んでいて、まひるはそこの長女です。
店そのものは兄の真琴が継いでいるので、まひるは今のところ好きなことをしていられるのですが、小さい頃から空想好きでかわいいもの、細かいものをいじくって遊ぶのが趣味で、もちろんかわいいデザインの和菓子にも興味があり、もちまえの器用さで自分で作ることもあり、料理もそこそこにできたりするのでした。
ですから20才頃にはお見合いの話もたくさんきたものでしたが、まひるはお見合いにはぜんぜん興味がなくて、マジックファンタジーというゲームの中の魔法剣士トムフルと舞台になっていた家模型にはまっていました。
マニアの間では家模型の中をあれこれアレンジしてユーザーの個性色いっぱいの空間を作ってHP上で見せ合うことが流行っていました。
魔法剣士トムフルはゲームの中では魔法で何度も家の中を模様替えしてしまうので、そこからトムの家をアレンジする遊びが流行りだしたようなのです。
就職が決まって、兄の真琴が結婚し、実家に居辛くなったまひるは大切なマジックファンタジーセットを抱えながら新しい自分の住まいへと引っ越していきました。
心配性な両親と兄夫婦そして仲のいい使用人たちはまひるの独立にかなり反対していましたが、結婚のこと以外でとくに我がままを言わなかったまひるの行いのおかげなのか結局、みんなそろって見守ることになってしまったようです。
そんな家族、親戚からも愛されて育ったまひるでしたが、職場ではパッとしない地味なOLな上、半年前から直属の上司がアメリカ帰りのエリートな男に代わって何かと仕事について文句を言われてしまう日々という生活になってしまいました。
「茗花!何回同じことを言わせるつもりだ。
電卓を使っているのにまた計算間違いかぁーーー?」
「す、すみません・・・。」
「なぁ、俺はおまえを委縮させているかぁ?
数人に前任者の上司とおまえとのことをきいてみたが、以前はミスは今より少なかったらしいじゃないか。」
「は、はぁ・・・」
「本来なら以前よりもっと仕事ができるようになってもらいたいというのが上司としての言葉なんだが・・・以前と同じくらいにはもどってもらわないとなぁ。」
「すみません。私にもどうしてだかわからないんですけど・・・。
計算がものすごく苦手じゃないはずなんですけど・・・。」
「じゃ、どうして間違ってばかりいるんだ?
俺をなめてかかっているのか?バカにしてるのか?」
「いいえ、滅相もない!
なんていうか・・・ふと意識がとんでしまうような感覚が起こってしまって・・・。」
「おい・・・居眠りか?いい度胸だな。
今日は失敗したところを残業して修正してもらうからな。」
「は、はい。」
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