ミラクルにいこう!
いつきは智房とまひるの住んでいたマンションまで移動すると、そこで元の姿に戻り、智房も再び勇者にもどったような漆黒の衣へと変化させて自宅へ戻った。
「あの・・・俺はまた勇者なんですか?あ・・・はは。」
「何でもいいんだけどね、私のいる世界の流行を君が気に入るかわからないんで、とりあえず妹の好きなスタイルに変化させただけです。
まひるの記憶をたどると君のそういう姿が気に入ってるみたいだったので。」
「な、なるほど・・・。(あいつならそうくるだろうなぁ。)」
「はい、我が家へようこそ。」
「えっ!?もう着いたんですか?それに玄関もなにも・・・?
ここって・・・??」
「我が邸のリビング内です。家族のくつろぎの場です。」
「はぁ・・・!?いきなりリビングって・・・。
あなたは・・・ほんとに魔法使い?」
「ふふっ、うれしい褒め言葉ですね。
では早速、妹のまひるに会ってもらいます。
その後、結婚を決めることができたら家族を紹介しますが、残念な結果だったらすぐにあちらへお送りしますからこのリビングのこのベルを鳴らして私を呼んでください。いいですね。」
「はい、いろいろとありがとうございます。
俺なりにできるだけの努力をしてみます。
できれば・・・いつきさんともこれっきりにはなりたくない気がしますから。」
「ほぉ・・・私に惚れましたか?ククッ」
「あ、変な意味じゃなくて、俺はその・・・自分と似たり寄ったりな年齢に見受けられる人物で尊敬できる人に出会ったことがなくて・・・。
なんていうか、兄と呼べるような男にです。」
「ふふっ。うれしいことを言いますね。
まぁ、本当に兄弟になれば後悔するやもしれませんけどね・・・。
はははは・・・じゃ、がんばって。
妹は正面の扉の向こうで待っています。」
智房が扉をあけて部屋へ入ると、薄紅色のワンピースを着た小柄な女が驚いた顔をして立っていた。
「か、かちょぉ・・・。そんな・・・あっ。」
「まひる!・・・なんでそんなかわいい格好してるんだ!
いつもそうなのか?」
「ひっど~い・・・いきなりそういうこと言いますかぁ・・・。
私はこれでも、この邸の一人娘なんですからね~。」
「この邸って・・・すごいな。
また、おまえの空想の世界かと思った。そうじゃないのか?」
「違います!
ここは間違いなく私の実家。だそうです。
私ね、課長といっしょにいたときのことしか覚えてなくて・・・時空病らしいの。」
「ああ、それは君のお兄さんから聞いた。
それで結婚して子をもうけないといけないことも。
で・・・俺は、おまえと結婚するためにやってきた。」
「えっ!でも・・・あっちの世界の生活は?」
「捨ててきた。あ、気にしなくていいぞ。
君には話してなかったけど、家族も死んでしまったからいないし、とっつきの悪い俺にはあちらでは心を許せる仲の知り合いはいないから。
おまえがいなくて、周りに聞きまくればその存在さえもみんなが忘れていてとても悲しかった。
自分が狂ってしまったのかとショックもあったけど、幻でもいいからおまえと話したかった。
いっしょに帰れるからうれしいと思ったんだ。
俺だけ小さいままだったらどうしようってことも頭をよぎったけど、それでも・・・おまえといっしょならいいと思って・・・。」
「トム・・・。」
「待った!トムはもうやめてくれ・・・。
せめてトモか智房に訂正してくれないか。」
「あははは。そうね。いきあたりばったりの勇者だったものね。
ありがとう。私に会いにきてくれて・・・。
これですっきりしました。
リビングにもどって兄を呼んで帰ってください。」
「なっ・・・!なぜだ。俺に会いたいって言ったのは君だろ?
だから俺だって・・・俺もすごく会いたかったから。
俺は仕事上いじめたと思われても仕方がないことも言ったけど、それは・・・」
「ちがうの。これからが大変だから。
私と結婚するのはこの世界の人にはなんら困らないことだけれど、トモがこちらで・・・私が結婚するとなると、試練が待っているの。
そんなとてつもない苦労を私なんかのためにしなくても・・・。」
「あの・・・俺はまた勇者なんですか?あ・・・はは。」
「何でもいいんだけどね、私のいる世界の流行を君が気に入るかわからないんで、とりあえず妹の好きなスタイルに変化させただけです。
まひるの記憶をたどると君のそういう姿が気に入ってるみたいだったので。」
「な、なるほど・・・。(あいつならそうくるだろうなぁ。)」
「はい、我が家へようこそ。」
「えっ!?もう着いたんですか?それに玄関もなにも・・・?
ここって・・・??」
「我が邸のリビング内です。家族のくつろぎの場です。」
「はぁ・・・!?いきなりリビングって・・・。
あなたは・・・ほんとに魔法使い?」
「ふふっ、うれしい褒め言葉ですね。
では早速、妹のまひるに会ってもらいます。
その後、結婚を決めることができたら家族を紹介しますが、残念な結果だったらすぐにあちらへお送りしますからこのリビングのこのベルを鳴らして私を呼んでください。いいですね。」
「はい、いろいろとありがとうございます。
俺なりにできるだけの努力をしてみます。
できれば・・・いつきさんともこれっきりにはなりたくない気がしますから。」
「ほぉ・・・私に惚れましたか?ククッ」
「あ、変な意味じゃなくて、俺はその・・・自分と似たり寄ったりな年齢に見受けられる人物で尊敬できる人に出会ったことがなくて・・・。
なんていうか、兄と呼べるような男にです。」
「ふふっ。うれしいことを言いますね。
まぁ、本当に兄弟になれば後悔するやもしれませんけどね・・・。
はははは・・・じゃ、がんばって。
妹は正面の扉の向こうで待っています。」
智房が扉をあけて部屋へ入ると、薄紅色のワンピースを着た小柄な女が驚いた顔をして立っていた。
「か、かちょぉ・・・。そんな・・・あっ。」
「まひる!・・・なんでそんなかわいい格好してるんだ!
いつもそうなのか?」
「ひっど~い・・・いきなりそういうこと言いますかぁ・・・。
私はこれでも、この邸の一人娘なんですからね~。」
「この邸って・・・すごいな。
また、おまえの空想の世界かと思った。そうじゃないのか?」
「違います!
ここは間違いなく私の実家。だそうです。
私ね、課長といっしょにいたときのことしか覚えてなくて・・・時空病らしいの。」
「ああ、それは君のお兄さんから聞いた。
それで結婚して子をもうけないといけないことも。
で・・・俺は、おまえと結婚するためにやってきた。」
「えっ!でも・・・あっちの世界の生活は?」
「捨ててきた。あ、気にしなくていいぞ。
君には話してなかったけど、家族も死んでしまったからいないし、とっつきの悪い俺にはあちらでは心を許せる仲の知り合いはいないから。
おまえがいなくて、周りに聞きまくればその存在さえもみんなが忘れていてとても悲しかった。
自分が狂ってしまったのかとショックもあったけど、幻でもいいからおまえと話したかった。
いっしょに帰れるからうれしいと思ったんだ。
俺だけ小さいままだったらどうしようってことも頭をよぎったけど、それでも・・・おまえといっしょならいいと思って・・・。」
「トム・・・。」
「待った!トムはもうやめてくれ・・・。
せめてトモか智房に訂正してくれないか。」
「あははは。そうね。いきあたりばったりの勇者だったものね。
ありがとう。私に会いにきてくれて・・・。
これですっきりしました。
リビングにもどって兄を呼んで帰ってください。」
「なっ・・・!なぜだ。俺に会いたいって言ったのは君だろ?
だから俺だって・・・俺もすごく会いたかったから。
俺は仕事上いじめたと思われても仕方がないことも言ったけど、それは・・・」
「ちがうの。これからが大変だから。
私と結婚するのはこの世界の人にはなんら困らないことだけれど、トモがこちらで・・・私が結婚するとなると、試練が待っているの。
そんなとてつもない苦労を私なんかのためにしなくても・・・。」