ミラクルにいこう!
智房はその日の午後、図書館で時空転移の本を借り、王宮のはずれの公園のベンチに寝転がって休憩をとっていた。
「ねぇ、公園で寝ると風邪をひきますよ。」
「ん!?・・・。」
智房が目をあけると、車椅子に乗った少女が不思議そうな顔をして智房を見つめている。
「あ、あの・・・私はそんな怪しい者ではなくて・・・えっと・・・」
「トモでしょう?菘まひるの夫になりたいからってよその世界からやってきた人。」
「よく御存じですね。その身なりとお供の方からして、王族の方ですか?」
「ええ、第3皇女のナミリハと申します。図書館によく来ておられるときいて私も見学にきましたの。」
「はぁ?」
「気づいておられないのですか?あなたを一目みたくて図書館に女性がたくさんつめかけているのが王宮でも評判になっていますのよ。」
「げっ・・・王宮でそんなことに・・・?」
「うふふふ。それだけ集中してお勉強されてるのは、まひる様のためですの?
すごくうらやましいですわ。
こうやってお会いしたご縁で私があなたを夫に指名してもよろしいのよ。
その方があなただって、うれしいのではなくて?」
「私をよく思ってくださったことについては誠に光栄でございますが、この努力はすべて自分のためです。
私は私の世界にいたまひるを好きになりました。
ここへきて初めて、まひるが王家にも出入りする家柄の娘だと知りました。
それがわかったからこうやって勉強し始めたのではないのです。
なんといいますか・・・きれいごとに聞こえるかもしれませんが、まひるは私にとっての褒美であり、ずっとそばにいてほしい大切な人です。
ずっと私などのそばにいてほしいから、私はどんな努力も惜しまずに行動できる。
彼女は結婚しなければ自分の過去がもどってこないまま、年を重ねれば時空の鍵が作り出した魔法の後遺症で生きた屍状態になるのです。
結婚できればいいなと思っていた女性が、そんなことになってしまうと聞かされたときは、カッコつけてる場合じゃないと思いました。
私はまひると結婚したい・・・そして彼女が私を夫にと望んでくれたなら、こんなうまくいくことはない。そうでしょう?」
「やっぱり、まひる様がうらやましい・・・。
だって、ナミリハは足が不自由です。体もそんなに丈夫じゃありません。
でもでも・・・ナミリハのそばに居たいって言ってきてくれる男性はいまだにいません。
この足のせいで、お見合い話もほとんどなく私は・・・。」
「ナミリハ王女・・・今日はどうして私にお声をかけたのでしょうか?」
「それは皆がトモの話をしていて、誰が声をかけるか押し付けあっていた光景を見たからです。
それならば、トモのことを知りたい女性を代表して妙な誤解がいちばんない私が声をかけるのがいちばん問題がないことだろうと思いました。」
「私に興味がある女性を代表されたわけですね。」
「ま、まあ・・・そうです。」
「では、お見合いや男性の居る場所での交流を女性を代表してやってみるというのはいかがですか?
図書館で集まっていた女性たちは集まっているだけで私一人を相手にしり込みしていたのでしょう?
お見合いに参加するということや男性の居る社交場で自分をアピールすることにはしり込みする側になるのですか?
あなたの側から男性との接点を希望すれば、きっとそういう場をまわりがもってくださると思いますよ。
その勇気はナミリハ王女にはないということですか?」
「ねぇ、公園で寝ると風邪をひきますよ。」
「ん!?・・・。」
智房が目をあけると、車椅子に乗った少女が不思議そうな顔をして智房を見つめている。
「あ、あの・・・私はそんな怪しい者ではなくて・・・えっと・・・」
「トモでしょう?菘まひるの夫になりたいからってよその世界からやってきた人。」
「よく御存じですね。その身なりとお供の方からして、王族の方ですか?」
「ええ、第3皇女のナミリハと申します。図書館によく来ておられるときいて私も見学にきましたの。」
「はぁ?」
「気づいておられないのですか?あなたを一目みたくて図書館に女性がたくさんつめかけているのが王宮でも評判になっていますのよ。」
「げっ・・・王宮でそんなことに・・・?」
「うふふふ。それだけ集中してお勉強されてるのは、まひる様のためですの?
すごくうらやましいですわ。
こうやってお会いしたご縁で私があなたを夫に指名してもよろしいのよ。
その方があなただって、うれしいのではなくて?」
「私をよく思ってくださったことについては誠に光栄でございますが、この努力はすべて自分のためです。
私は私の世界にいたまひるを好きになりました。
ここへきて初めて、まひるが王家にも出入りする家柄の娘だと知りました。
それがわかったからこうやって勉強し始めたのではないのです。
なんといいますか・・・きれいごとに聞こえるかもしれませんが、まひるは私にとっての褒美であり、ずっとそばにいてほしい大切な人です。
ずっと私などのそばにいてほしいから、私はどんな努力も惜しまずに行動できる。
彼女は結婚しなければ自分の過去がもどってこないまま、年を重ねれば時空の鍵が作り出した魔法の後遺症で生きた屍状態になるのです。
結婚できればいいなと思っていた女性が、そんなことになってしまうと聞かされたときは、カッコつけてる場合じゃないと思いました。
私はまひると結婚したい・・・そして彼女が私を夫にと望んでくれたなら、こんなうまくいくことはない。そうでしょう?」
「やっぱり、まひる様がうらやましい・・・。
だって、ナミリハは足が不自由です。体もそんなに丈夫じゃありません。
でもでも・・・ナミリハのそばに居たいって言ってきてくれる男性はいまだにいません。
この足のせいで、お見合い話もほとんどなく私は・・・。」
「ナミリハ王女・・・今日はどうして私にお声をかけたのでしょうか?」
「それは皆がトモの話をしていて、誰が声をかけるか押し付けあっていた光景を見たからです。
それならば、トモのことを知りたい女性を代表して妙な誤解がいちばんない私が声をかけるのがいちばん問題がないことだろうと思いました。」
「私に興味がある女性を代表されたわけですね。」
「ま、まあ・・・そうです。」
「では、お見合いや男性の居る場所での交流を女性を代表してやってみるというのはいかがですか?
図書館で集まっていた女性たちは集まっているだけで私一人を相手にしり込みしていたのでしょう?
お見合いに参加するということや男性の居る社交場で自分をアピールすることにはしり込みする側になるのですか?
あなたの側から男性との接点を希望すれば、きっとそういう場をまわりがもってくださると思いますよ。
その勇気はナミリハ王女にはないということですか?」