寒いね。
「じゃあ、乾杯しよー。

若葉姉ちゃんが戻ってくるの待ってたんだから」

真里がグラスをあげる。

ちなみに未成年者である彼女のグラスの中に入っているのは、白ぶどうのジュースである。

「わかった。

乾杯しようか」

みんなでグラスをあわせようとした時だった。

「若葉!」

その声に、持っていたグラスを落としそうになった。

息を切らした状態で彼氏――いや、元カレが店の中にいた。

時間帯も時間帯。

食事を楽しんでいた客が、元カレに注目する。
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