寒いね。
その注目は、私の方にも向けられた。

「何の用!?」

私の代弁をするように、桃が元カレに向かって怒鳴った。

「若葉、話を聞いて欲しいんだ」

うつむいた。

聞きたくないから目をそらした。

今さら何しにきた訳?

今さら私と何を話そうって?

「あんたさ、何しにきた訳?

今カノほったらかして、何しに乗り込んできたの?」

桃が代弁する。

本当なら私が言うセリフなのに。

「彼女は…その…」

元カレが口ごもっている。
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