寒いね。
「…えっ?」

人間、訳がわからないと考えることができないらしい。

その女誰?

お姉さんか妹かと思ったが、彼氏は男兄弟だったと思い出す。

「いや…これは…」

彼氏が青い顔で慌てふためく。

何よ、浮気なら浮気だって認めちゃいなさいよ。

無理して言い訳なんかしようたって、今さらよ。

「最ッ低!」

青い顔の彼氏にケーキを投げつけると、逃げるように家を飛び出した。


「――っふ…」

私、騙されてたんだな。

そう思うと、情けなくなった。
< 2 / 43 >

この作品をシェア

pagetop