寒いね。
常盤と目があった。

目があったとたん、彼は微笑む。

「平岡さんにはいつもご贔屓にさせてもらってますから、サービスです」

「ありがとうございます。

おいしくいただきます」

私は頭を下げた。

「またのご来店をお待ちしてます」

常盤が躰を2つに折り曲げた。

常盤に見送られ、私たちは店を後にした。

「若葉姉ちゃん、家ついたら食べていいー?」

真里が聞く。

「さっき食べたばっかでしょ」

つぐみが笑いながら言ったので、私たちも一緒になって笑った。
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