寒いね。
乗り込んできた元カレを常盤が追い払ってくれた。

帰りに、デザートの試食品をくれた。

――優しい人なんだな

それらに対して思ったことは、彼は優しい人。

それ以上も以下もない。

ただ優しい人。

「少し早いけど、お昼にしない?」

つぐみの声が聞こえてハッとなった。

「うん、いいよー」

真里が雑誌から顔をあげて答えた。

私はつぐみに視線を向けるとうなずいた。
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