寒いね。
つぐみはスプーンの先を見つめていた。

見つめるその目は、悲しそうだ。

「あー…。

もうちょっと考えていいから。

来年の3月まで募集してるみたいだし、時間はまだあるよ?」

そう言った私に、
「…うん、わかってる」

つぐみが呟くように答えた。


今週の買い物当番は私だ。

つぐみが書いてくれたメモをエコバッグに入れ、桃がバイトしてるスーパーに向かう。

「まだ無理かな…」

息を吐いた。
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