寒いね。
つぐみの身に起こった、2年前の出来事。

まだ、つぐみの中で立ち直ることができていないのかも知れない。

だけど、話を決めるのは彼女自身だ。

わざわざ急かす必要はない。

私はつぐみが出した答えを友人に言うだけなのだから。

「あ、平岡さん」

その声に視線を向けると、
「…常盤さん」

常盤だった。

コック服ではなく、ラフな服装をしていた。

「偶然ですね、お買い物ですか?」

笑顔で常盤が話しかける。
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