寒いね。
でも、どうして私は機嫌が悪いのだろう?

自分でもよくわからない。

「食べますか?」

そう言って差し出されたのは、ミニパックのチョコレートだった。

「あの…」

偶然だろうか?

チョコレートは、私の好きなビターだった。

「よくわからないです…」

そう言った私に、常盤はチョコレートを私の手の中に収めた。

「あ…」

「“すみません”よりも、“ありがとう”の方がいいと思いますよ」
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