寒いね。
「僕のことは、つきあって行くうちに少しずつ知ってください。

焦らず、平岡さん自身のペースで」

ポンと、彼の大きな手が頭に乗る。

温かいその手。

そう、きっかけは彼の手だった。

彼の手が温かかったから、始まった。

「僕も、あなたのことを少しずつ知って行きますから」

チュッ

頬に唇が落とされた。

「……えっ……あっ……」

自分でもわかるくらいに顔が赤くなる私に、彼は微笑んだのだった。


☆★END☆★
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