いつか君に届け
涙の成人式
『はい!わかりました。ではそのように手配させて頂きます。よろしくお願いします。はい。失礼します』
はぁー。眠い。壮ちゃん!俺先月二十歳になりました。来年は成人式です。出席する気はないけどね。会社も立ちあげたよ。今ハンパなく忙しいです。店は大輔にほぼ任せてる感じだから大輔も大変だと思う。まあ俺も月に何度かはホストとして店に出るんだけど。大学には結局1度行ったっきりです。元々通える暇がない事はわかっていたし俺は大学を辞めて後悔していない。でも中途半端な事をしたから壮ちゃんは怒る?でも無理だよ。寝る暇もねーんだもん。許してよ。遊んでるわけじゃないんだから。壮ちゃん!夏がもうすぐ終わります。夏はとくに哀しいからかな?海に行きたくなるよ。いくら仕事で疲れていても海に入りたくなって睡眠も取らずユズルを誘って波乗りに行きました。今年はあと何回行けるかな。二十歳の誕生日の朝、千佳は俺におめでとうとは言わないでくれたよ。でもなんだか辛そうだった。俺が余計な事を言ったから千佳を傷つけているんだろうな。俺はやっぱり自信がない。俺は壮ちゃんが教えてくれた通り努力もしているつもりなんだけどまだまだ足りないって事だよね?自らの疑いに勝つって難しいじゃん。壮ちゃんは俺に難しい事ばっかり言うよね。俺出来ないよ。努力もしていないのに出来ないって言うなってどうせまた怒るんでしょ。もう怒るなら近くで怒ってよ!壮ちゃんのバカ!あー大輔を迎えに行かなきゃいけないんだよな。
『お疲れ!大輔!』
『おう!慶太郎!お疲れ!とりあえず今月も目標達成だな。あー疲れた。帰るか』
『あー。ありがとう!お疲れ!店の鍵閉めた?』
『あたりめーじゃん。お前じゃねーんだから』
『そうですね』
『慶太郎!この花はなんだよ?お祝いの花ではないな?後部座席に置かれている花は』
『あー。今日は俺のもう1人の親父だった人の命日なんだ。墓参り行ってこようと思って。さすがに二十歳になったし。俺が大人になるまで生きてるのか心配していただろうからね。こんな俺ではご希望に応えられていないと思うけどな。俺は怒られる事しかしていない。二十歳まで生かされてしまった俺の姿を近くで見せてこようと思ってね。ちょっと怖いけど』
『なあー慶太郎!俺も一緒に行っていいか?お前の親友だってお前のもう1人の親父に挨拶させてくれよ』
『いやーでも大輔疲れてるだろ。帰って寝たいんじゃねーの?』
『お前今から行くんだろ?』
『まあ大輔を降ろしてから行こうかと思ってましたけど』
『じゃあ行こうぜ!俺もちゃんと挨拶しときたいよ。今年二十歳だからな。慶太郎のもう1人の親父はどういう人?やっぱ勉強しろって言われたのか?』
『まあそうだね。俺には厳しかった。お仕置きされてばっかりだったからな。俺は中1でも泣かされてたぐらいだ。全部俺が悪いんだけど。怒ったら怖かった。でも俺が1番逢いたい人だ』
『そうなんだ。お前はその人が生きていたらまた違ったのかもな。お前にとって怖い人っていねーじゃん。だから死に急ぐんだろ』
『そうかもね。でもそれだけじゃないんだ。俺はたくさんの罪を犯してる。俺はクズだからな』
『お前がクズだったら俺もクズだよ』
『着きましたよ。ダッシュボードに線香入ってんだけど取ってくれる?』
『あぁー。近いじゃん。俺もっと遠いのかと思ってたよ』
『俺と壮ちゃんが最後に暮らした場所なんだ。この街には海もあるしこの場所に墓を決めた。もちろんクソ親父に頼んでだけどな。あー俺また怒られそう。親父でした。すいません』
『お前がそんなに頭が上がらない人なら会ってみたかったな』
『きっと大輔にも力貸してくれたと思うよ。俺なんか頼りないからね。壮ちゃんはそういう人だ。大輔!ちょっと水かえるから花持ってて!おい!大輔!花!』
『慶太郎!俺この人知ってる。俺この人に御礼言いたかったのに逢えなくて神の計らいはこれかよ!結城壮一郎さん!11歳の俺を助けてくれてありがとうございました!ずっとずっと逢いたかったです!慶太郎に出逢わせてくれてありがとうございます!』
『大輔!壮ちゃんを知ってるの?そっか』
壮ちゃん!俺と大輔は二十歳だよ。見てる?俺達少しは大人になってるの?壮ちゃんはいつも空から見てるだけでズルいよ!何も教えてくれないじゃん。大輔に逢わせてやりたかったよ。あの夏。中2の夏なら間に合ったんじゃん。俺は大輔が泣くのを初めて見た。俺達にとってここが涙の成人式の舞台だな。大輔!俺と出逢ってくれてありがとう。これからもよろしくな。俺達は生かされるだけ生きよう。
『慶太郎!二十歳になる年にずっと逢いたかった結城壮一郎さんにここで逢えるなんて神の計らいでしかないな。慶太郎!ちょっと早いけど俺達の成人式だ。結城さんの前でしっかりと挨拶しておきたい。慶太郎!成人おめでとう!これからもよろしくな!お互い生かされるだけ生きよう!』
『あー。大輔!俺も同じ事を思っていたよ。大輔!成人おめでとう!これからもよろしく!お互い生かされるだけ生きよう。壮ちゃんが見てるから』
『おう!』
大輔!縁って不思議だな。どこでどう繋がってるのかわからないけど何か深い意味がありそうだ。俺達はまたここから始まるのかな。
はぁー。眠い。壮ちゃん!俺先月二十歳になりました。来年は成人式です。出席する気はないけどね。会社も立ちあげたよ。今ハンパなく忙しいです。店は大輔にほぼ任せてる感じだから大輔も大変だと思う。まあ俺も月に何度かはホストとして店に出るんだけど。大学には結局1度行ったっきりです。元々通える暇がない事はわかっていたし俺は大学を辞めて後悔していない。でも中途半端な事をしたから壮ちゃんは怒る?でも無理だよ。寝る暇もねーんだもん。許してよ。遊んでるわけじゃないんだから。壮ちゃん!夏がもうすぐ終わります。夏はとくに哀しいからかな?海に行きたくなるよ。いくら仕事で疲れていても海に入りたくなって睡眠も取らずユズルを誘って波乗りに行きました。今年はあと何回行けるかな。二十歳の誕生日の朝、千佳は俺におめでとうとは言わないでくれたよ。でもなんだか辛そうだった。俺が余計な事を言ったから千佳を傷つけているんだろうな。俺はやっぱり自信がない。俺は壮ちゃんが教えてくれた通り努力もしているつもりなんだけどまだまだ足りないって事だよね?自らの疑いに勝つって難しいじゃん。壮ちゃんは俺に難しい事ばっかり言うよね。俺出来ないよ。努力もしていないのに出来ないって言うなってどうせまた怒るんでしょ。もう怒るなら近くで怒ってよ!壮ちゃんのバカ!あー大輔を迎えに行かなきゃいけないんだよな。
『お疲れ!大輔!』
『おう!慶太郎!お疲れ!とりあえず今月も目標達成だな。あー疲れた。帰るか』
『あー。ありがとう!お疲れ!店の鍵閉めた?』
『あたりめーじゃん。お前じゃねーんだから』
『そうですね』
『慶太郎!この花はなんだよ?お祝いの花ではないな?後部座席に置かれている花は』
『あー。今日は俺のもう1人の親父だった人の命日なんだ。墓参り行ってこようと思って。さすがに二十歳になったし。俺が大人になるまで生きてるのか心配していただろうからね。こんな俺ではご希望に応えられていないと思うけどな。俺は怒られる事しかしていない。二十歳まで生かされてしまった俺の姿を近くで見せてこようと思ってね。ちょっと怖いけど』
『なあー慶太郎!俺も一緒に行っていいか?お前の親友だってお前のもう1人の親父に挨拶させてくれよ』
『いやーでも大輔疲れてるだろ。帰って寝たいんじゃねーの?』
『お前今から行くんだろ?』
『まあ大輔を降ろしてから行こうかと思ってましたけど』
『じゃあ行こうぜ!俺もちゃんと挨拶しときたいよ。今年二十歳だからな。慶太郎のもう1人の親父はどういう人?やっぱ勉強しろって言われたのか?』
『まあそうだね。俺には厳しかった。お仕置きされてばっかりだったからな。俺は中1でも泣かされてたぐらいだ。全部俺が悪いんだけど。怒ったら怖かった。でも俺が1番逢いたい人だ』
『そうなんだ。お前はその人が生きていたらまた違ったのかもな。お前にとって怖い人っていねーじゃん。だから死に急ぐんだろ』
『そうかもね。でもそれだけじゃないんだ。俺はたくさんの罪を犯してる。俺はクズだからな』
『お前がクズだったら俺もクズだよ』
『着きましたよ。ダッシュボードに線香入ってんだけど取ってくれる?』
『あぁー。近いじゃん。俺もっと遠いのかと思ってたよ』
『俺と壮ちゃんが最後に暮らした場所なんだ。この街には海もあるしこの場所に墓を決めた。もちろんクソ親父に頼んでだけどな。あー俺また怒られそう。親父でした。すいません』
『お前がそんなに頭が上がらない人なら会ってみたかったな』
『きっと大輔にも力貸してくれたと思うよ。俺なんか頼りないからね。壮ちゃんはそういう人だ。大輔!ちょっと水かえるから花持ってて!おい!大輔!花!』
『慶太郎!俺この人知ってる。俺この人に御礼言いたかったのに逢えなくて神の計らいはこれかよ!結城壮一郎さん!11歳の俺を助けてくれてありがとうございました!ずっとずっと逢いたかったです!慶太郎に出逢わせてくれてありがとうございます!』
『大輔!壮ちゃんを知ってるの?そっか』
壮ちゃん!俺と大輔は二十歳だよ。見てる?俺達少しは大人になってるの?壮ちゃんはいつも空から見てるだけでズルいよ!何も教えてくれないじゃん。大輔に逢わせてやりたかったよ。あの夏。中2の夏なら間に合ったんじゃん。俺は大輔が泣くのを初めて見た。俺達にとってここが涙の成人式の舞台だな。大輔!俺と出逢ってくれてありがとう。これからもよろしくな。俺達は生かされるだけ生きよう。
『慶太郎!二十歳になる年にずっと逢いたかった結城壮一郎さんにここで逢えるなんて神の計らいでしかないな。慶太郎!ちょっと早いけど俺達の成人式だ。結城さんの前でしっかりと挨拶しておきたい。慶太郎!成人おめでとう!これからもよろしくな!お互い生かされるだけ生きよう!』
『あー。大輔!俺も同じ事を思っていたよ。大輔!成人おめでとう!これからもよろしく!お互い生かされるだけ生きよう。壮ちゃんが見てるから』
『おう!』
大輔!縁って不思議だな。どこでどう繋がってるのかわからないけど何か深い意味がありそうだ。俺達はまたここから始まるのかな。