輝く光の中で
莉那から撫でてもらっているうちに、眠気がさして来て、
私は、泣き疲れて寝てしまった。

莉那は、私が寝たのを確認すると、リビングに戻り
私の両親と智に頭を下げた。

「お願いです。おじさん、おばさん、万梨阿に子供を
 産ませてあげてください。お願いします。
 今まで、長く万梨阿と付き合って来たけど、アルと
 別れた時ですら、泣いてなかったのに、あんなに
 大泣きした万梨阿は、初めて見ました。
 お願いです。産ませてあげてください・・・・。」

「莉那ちゃん・・・・」

「莉那、そうは言っても、俺達だけの問題じゃないんだ!
 これからの九条にも関わってくるんだ。部外者は、口を
 出すな!」と、怒りの智。

「部外者ですって! 智・・・。そうよね、確かに部外者
 よね!私は、あなたの婚約者でもなければ、妻でもないわ。
 それに、私は、九条の人間でもないわ。
 でもねぇー、万梨阿は、私の大切な親友なのよ。
 智が、そのつもりなら、私にも考えがあるわ。
 万梨阿を引き取って、私が万梨阿と子供の面倒をみるわ!
 どうせ、万梨阿が九条の人間だって公にしていないん
 ですもの、万梨阿が居なくたって、智が一人で、九条
 を支えればいいでしょ!」と、莉那が切れた。

「何をバカな事を言うんだ。俺達の事はどうするんだ。」

「人殺しを進めるような男とは、一緒には居られないわ!
 別れましょ!」

「莉那!・・・・・・・」

「莉那ちゃん、落ち着いて、お願い。万梨阿の事で、あなた達が
 喧嘩しても、何も問題解決にならないのよ・・・。
 智、あなたも落ち着きなさい・・・」

「そうだよ、莉那ちゃんも智も、落ち着け!」

4人で、そんなことになっていたなんて、眠っていた私は、
知らずに、深い眠りについていた・・・。
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