輝く光の中で
私たちは、その場を離れようと歩き始めたら、執務室のドアが
開き、アルフレッド様が、庭へ行くのが見えた。

外は、かなりの雨が降っていて、その中を走って庭の方へ
行かれたので、私は、追いかけようとしたら、
ローズマリーが、「そっと、しておいてあげましょ!」
と、言ってのだが、私は、その言葉を振り切って
急いで傘を持って追いかけたが、見当たらず、暫く歩くと
大きな木の下に佇んでいるアルフレッド様を見つけた。

悲痛に満ちた顔をしたアルフレッド様は、泣いているように見えた。

私が、傘を差し出したが、受け取ってもらうどころか、怒鳴られて
しまった。

ショックなのと、自分が何と無神経な事してしまったのか・・・と
反省しながら、屋敷に戻ったら、ローズマリーが優しく、アルフレッド
様の事を話してくれた。

「お兄様は、心に決めた女性がいるのよ。でも、お互いの家の事で
 別れさせられたの・・・。」

ショックで、言葉も出なかった・・・。

「何とか、両親を説得して、私は、お兄様の恋人を探して欲しい
 と頼み込んで、探してもらっていたんだけど、結局見つから
 なかったみたいなの。」

「その方は、外国人なの?」

「うん、日本人よ・・・」

その言葉を聞いて、私の中の辻褄が合った。

そうか、私を愛おしそうに見ていたのではなくて、日本の
恋人を思い出していたんだ。

と、目の前が、真っ暗になったようだった。

自分の浅はかさに、苦笑いしか出て来ず、私の心は
失恋と言う、傷を負った。


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