輝く光の中で
医師の説明の後、莉那と母は、入院の支度を取りに、家に帰って行った。

私は、その間に、病棟の陣痛室に入り、点滴を受け始めた。

この点滴は、薬の力で陣痛を起こすのだが、もともと陣痛が来てないので
私は、薬の効果が切れると、痛みもなく、普通にしていられた。

母と莉那は、私に付き添いたかったみたいだが、面会時間が
すぎると、付き添ってはいられなかったので、一旦家に帰って行った。

その日は、結局出産することはなく、翌朝、早くからまた点滴が
始まった。

点滴を受けながらも、お腹に機械を付けて、常に赤ちゃんの心音と
心電図を図っていた。

しかし、暫くすると、また心電図が乱れ、看護師さんが医師を呼び
急遽、分娩室に私は入れられ、医師は、看護師さん、助産婦さん
小児科の医師を集め、急遽、お産が始まった。

今朝、早くから母と莉那が来て、急遽、お産を始めるにあたり
母から承諾書をとり、子供は、たぶん小児科へ入院することに
なるからと、伝えられた。

点滴をしながらのお産で、陣痛が来た時に、皆が一斉に赤ちゃんを
取り出すことに集中した。

赤ちゃんを取り出すと言っても、赤ちゃんが出たいわけではないので
無理やり、一人の看護師さんが、私のお腹を押し、他の看護師さんは
医師の指示により、吸引分娩の支度をし、陣痛と共に、私は息み
一人の看護師さんは、お腹を押し、他の人たちは、赤ちゃんの
小さな頭に、吸引をかけることに専念し、医師が『いいか、この
お産は、皆の力が合わないと、無事に生まれないから、皆、心を
合わせろ!』と、言った・・・。

何回目かのチャンスで、無事に赤ちゃんが生まれた・・・・。

暫くすると『オギャー・オギャー』と、元気な産声が聞こえ
その後、赤ちゃんは小児科の先生に渡り、すぐに保育器へと
入れられた・・・・。

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