輝く光の中で
それからは、本当に何もなかったように、今まで通りに接していた。

しかし、今年もあと僅かになった頃、父上に

「殿下とは、どうだ?上手くいってないのか?」と、聞かれ

「はい、殿下は、まだ結婚の意志がないようです・・・。」

「そうか・・・。実は、元老院達での話し合いで、何名か花嫁候補が
 決まった。その中にお前も含まれている。
 来週、パーティーがあるが、そのパーティーに参加しろ。
 殿下の花嫁候補が一堂に集まる。そこで、お前の存在を
 他の花嫁候補たちに見せつけて来い!わかったな!」

「はい、お父様・・・」

私は、父に言われた通り、パーティーでは、唯一殿下と話をし
他の候補者達に、私の存在を認めさせることが出来た。

年が明けても何回かパーティーがあり、殿下と話をするように
していたら、パパラッチが、私が殿下の花嫁候補1番と記事を
書いてくれた。

嬉しかった。今は、周りから私が殿下に一番近くにいることを
認めてもらった気がした。

しかし殿下との間柄は、一向に進むことはなく、むしろパパラッチ
が、目障りだと、陛下に箝口令を申し出たことには、ショックを
受けた。

やはり、殿下はまだ、万梨阿さんの事が好きなんだと、実感すると
同時に、私を好きにはなってくれないのか・・・と、気落ちし
段々自分の心が、醜くなっていくようだった・・・。

「万梨阿さん、私に、殿下を下さい・・・・。」心でそう叫んでいた。
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