輝く光の中で
「ただいま、帰りました。」と、言うと、奥から
お婆様と、伯母様が飛んできた。

「待ってたのよ!さぁー上がって。輝、おばあちゃんの所へ
 来ましょうね!」と言うが早いか、輝を早速取り上げられてしまった。

これには、智も莉那も苦笑いするしかなかった・・・。

奥に通されると、お爺様、伯父様、お婆様、伯母様、4人で輝を
眺めながら、次は誰が抱っこするかで揉めていた・・・。

私は、いらないのでは・・・・ないだろか・・・?そんな不安がよぎった。

賑やかな九条の家で、まず、来月の会社のパーティーでの打ち合わせに
入った。

九条グループでは、1年に1回、本社の人間を全員と、グループ会社の
役付きの人間を集めて、パーティーが行われる。

その時に、4月からの新入社員も全員ここに呼ばれて、会社の4月からの
人事が発表になる。

その時に、次期後継者として、智が紹介され、莉那との婚約も発表
される。

私も、紹介され、私は、本社ではないが、他部署である、『医療・
 医薬品、福祉施設』を担当しているグループ会社『九条ライフ』
の新社長として紹介される。

私の役目は、そのグループ会社の業績をあげ、なおかつ九条グループ
の広告塔になる予定だったが、広告塔は、半分は、莉那がやることに
なった。

輝がいるので、思うように動けないことも多いし、私があまり
マスコミに出ることは、輝にも影響が出るから、マスコミ関係は
莉那が出ることにし、二人で協力して九条を盛り立てることになった。

もっとも、莉那がマスコミに出ることは、『ホテル・カメリア』の
宣伝にもなるので、莉那のお父さんは、大喜びしている。

莉那の西条グループは、今、高校生の弟の翔君が継ぐことに
なっているが、まだ若いので、莉那とお父さんの仕事を見ながら
翔君は勉強し、いずれお父さんから会社を引き継ぐ予定でいるが
、莉那の経営人としての教育が始まった時に、一緒に
翔君も、智から教えを被っているらしく、莉那が

「私の翔が、智に侵されていく~」と、言っていた。

とにかく、翔君は、智を神のように崇め、崇拝しているそうだ。

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