輝く光の中で
再会
いよいよ、6月に入り、明日、相手国に出発だ。

飛行機は、いきは、専用機を使うので、輝が騒いでも、心配はいらない。

荷物を用意するにあたり、自分の荷物は、大したことはないのだが
輝の荷物が、異様に多くなってしまった。

子供用品は、どこでも買えると思うのだが、やはり、使い慣れたもの
だったり、玩具から着替えの洋服、終いには普段使っている、タオル
ケットまで、荷物に入れてしまった・・・。

それを見ていた、智と莉那は、呆れて、向こうでも買えるから、
もう少し、少なくしろ!と、言われてしまい、ため息を付きながら、
もう一度、荷物を作りなおした。
 
◇ ◇ ◇ ◇ ◇

当日、飛行機の中で、相手国の情報を智から得る。

智も、5月に相手国の人が来日した時、丁度都合が合わず、社長が
対応したらしく、詳しくは聞いてなかった。

もっとも、今回は、九条の営業、開発研究部門、それぞれが既に
現地に入国しているので、我々は、会社の顔としての役目を
果たすことが、1番の目的だ。

それに、私の講演会と、勉強会を行うのが、2番目の目的。

相手国は、『クレメレン王国』と言って、ヨーロッパの小さな国
の一つだそうだ。

海と山に囲まれて、資源豊かな国だと聞いた。

イギリス同様、王室がある国で気候にも恵まれているので、
今回は、本当に輝とのんびり出来そうだ・・・・・。

智は、仕事が済むとすぐに日本へ帰るが、私と莉那は、1週間
しっかり、バカンスを楽しませてもらう予定だ。

従って、帰りは、民間機に乗るので、智たちに輝の荷物を少なく
しろと、さんざん言われたのだ。
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