輝く光の中で
電話を終えた、私の腕をアルがつかみ

「万梨阿、病院に行くぞ。エドワード、車の用意を」と、エドワードに
指示を出した。

「はい、どちらまで?」

「フェリックスのところだ」

「かしこまりました。」

アルは、私の手を引き、エントランスに止まった車に乗せた。

後から、智もついてきて、「俺も行く」と、車に乗り込み

アルと、智と、私の三人は、無言のまま、病院へ向かった。

ホテルから病院は近くて、5分程だが、私たちの夕食会会場からは
15分ほどかかった。

その間、三人は、一言もしゃべらず、智に至っては、超不機嫌で
頭に角が生えているようだった・・・・。

病院に着くと、アルがフェリックス先生の所に案内し、そこには
既に、莉那が輝を連れて来ていて、診察の最中だった。

「その子は・・・・・」とアルが言うと

「あっ、昼間の・・・・」と、莉那が答えた。

「先生、輝は、どうなんでしょう?」と、私が聞くと

「お母さんは?どっち?」と、先生が聞いたので

「はい、私です」と答えた。

「「・・・・・・・・・」」先生とアルは、黙ってしまったが

「お母さん、輝君は、肺炎に罹ってます。暫く入院が必要に
 なります。日本へは、いつ帰る予定でしたか?」

「1週間ほど、滞在する予定でいたんですが・・・・」

「出来たら、完治するまで、ここにいた方が、お子さんの
 ためでもありますが・・・」

「智・・・・」と、智に救いを求めた。

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