輝く光の中で
智は、忌々しそうな顔をして、

「スケジュールを、調整しよう。今は輝が大事だ。万が一の事があると
 俺は、爺様達に殺されるからな・・・・」

「じゃー、入院の準備をしましょう。お母さんは、輝君の側に居て
 あげてください。これから点滴をしますから」

「はい、よろしくお願いします。」

私は、輝と共に処置室で、ベットの準備が出来るまで、待つことになった。

「先生、申し訳ないが、特別室でお願いします。」と、智が先生に言った。

「解りました。そのように用意をさせましょう。輝君たちを処置室に
 連れてって」と、先生は看護師さんに指示した。

◇ ◇ ◇ ◇ ◇ 

side フェリックス

アルから、子供の急患の連絡を受け、急遽、持ち場に戻った。

そして、すぐに日本人の女性が男の子を抱いて、具合の悪くなった
経緯を話し始めたので、ベットに横にし、顔を見た瞬間、手が止まった。

「アルだ」心の中で呟き、気を取り直して治療にかかる。

アルは、日本人の女性と恋人関係だったが、家の都合で無理やり
別れさせられたらしいが、この女性が、万梨阿か?

すると、診察を始めてすぐに、アルと、日本人の男女が入って来た。

『あっ、この子が万梨阿だ!』と、すぐにわかった。

これは、DNA鑑定を、取っておいた方がいいな!と、すぐに思いながら
一応「お母さんは?どっち?」と聞くと、やはり後から来た女性だった。

この二人の女性は、かなり美人の二人だが、タイプが違った。

明らかに、輝君のお母さんはアルのタイプだった。

これからの事を伝え、入院してもらうことにしたら、男が、
「先生、申し訳ないが、特別室でお願いします。」と言って来た。

何者だ、こいつ。特別室って・・・・まぁーいい。お金が取れなかったら
アルから取れば、いいか・・・・・。
< 175 / 239 >

この作品をシェア

pagetop