輝く光の中で
Side クリスティーナ

1週間前に、パパラッチによる、写真と記事が掲載され、私は、
父にまた呼ばれた。

「クリス、殿下とはどうなんだ？」と苛々しながら聞いてきた。

「確かに、昨夜は、送ってもらいましたが、あの記事に書いてあることは
　全くの出鱈目です。」

「いつになったら、お前と付き合ってくれるんだ・・・。元老院からも
　陛下にお願いしているのに、陛下からも殿下に話が言っている
　はずなんだが・・・・？」

「父上、殿下には、忘れられない女性がいらっしゃるんです。
　ですから、その女性を忘れて、違う女性と付き合うには、
　もう少し時間がかかると思います・・・・」

「殿下が帰国して、2年だぞ！その間、女性の噂は全く聞いてないが？
　そんな女性、いたのか？」

「はい、留学中にいらしたみたいです・・・。詳しいことは解りませんが」

「ふむぅ、解った。陛下に直接聞いてみよう。
　あーそれから、明日の王室主催の夕食会、粗相のないように。
　明日のような王室主催の行事には、お前自身を売り込むには
　丁度良い機会だからな！よく働くように。そして殿下に認めて
　もらえ。解ったな！」

「はい、失礼します・・・」

昔から、父は、自分の事しか考えてない人だ・・・。

私は、小さい頃から、父の言うがままに育ってきた。

父の評判を上げる為に、私は存在している。

確かに殿下の事は、心から好きだ。

でも恋は、必ず成就するものではない。

ましてや殿下の心の中にいる『万梨阿さん』は、私は、会ったことも
見たこともない。

そんな女性とどう張り合えばいいのだ・・・・。

私だって、殿下から好きになって貰いたいのに・・・・。
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