輝く光の中で
次の日、昨夜の事もあり、気分が冴えなかったが、熱いシャワーを
浴びて、会社に出勤した。

その日は、夕方から始まる王室主催の夕食会の準備で、忙しかった。

午後には、夕食会の会場に入り、念入りに準備をしていた。

大方準備も整い、セドリック達とコーヒーを飲みながら、今日のゲスト
の話で盛り上がった。

アルフレッド様やマリーは、世間の噂話と言うものは、全く聞くことを
しない。

それは、王室という特別の世界のせいか、人に対して、先入観をもったら
相手の本質を見ることが出来ないからだという。

だから、ゴシップに関しては、一切耳を傾けることはない。

なので、久しぶりに、今日のゲストの噂話を聞いていた。

九条グループの次期後継者で現副社長は24歳、そして別会社で今回
講演会と勉強会を頼んだ、社長は、23歳の女性でその二人は兄妹だと
いう。

九条財閥は、世界に名を馳せるほどの財閥で、今日お見えになる副社長
は、九条始まって以来の切れ者と言われているそうだ。

容姿も兄妹でかなり整っているらしく、密かに三人で楽しみにしていた。

夕食会の時間になり、殿下とマリーは出迎えに出ていた。

私たちは、お見えになったゲスト達に、お茶を振る舞い、夕食の
準備が整うまで、ティールームに控えてた。

どうやら、注目の二人が到着したようだ。

二人が部屋に入って来た瞬間、セドリックとエリオットが息を
飲んだ。

確かに、美しい女性だった。日本人特有の神秘さも持ち合わせている
女性だったが、

そう思っていたら、二人は

「「・・・・・・万梨阿・・・・」」

えっ、万梨阿さんなの・・・・・・。
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