輝く光の中で
それから、万梨阿さんの力は、講演会から勉強家に至るまで
遺憾なく発揮され、講演会と勉強会に参加された方々は、万梨阿さんを
絶賛していた・・・。

勉強会が終わると同時に、殿下は、セドリックさんに仕事を預け
3週間ほどの休みをもぎ取って行った・・・。

回りの皆は、呆気にとられ、そうでなくても万梨阿さんが
殿下の近くにいるようになってから、殿下は、人が変わったように
人間臭くなっていた・・・。

そんな殿下を、セドリック達は、『それがアルの本性だよ』と
言っていたが、その姿は、マリーも見たことがなかったらしく
呆然としていた。

そして、殿下が休みに入った日、丁度マリーと二人でフェリックス先生
の所へ行く用事があり、二人で訪ねた。

その時、マリーがフェリックス先生に愚痴をこぼした。

「聞いてよ、フェリックス、お兄様たら、勝手に三週間もお休みを
 取って、休んでいるのよ!信じられる?」

「あぁー、それでか・・・・あいつ、強硬手段に出たな!?」

「フェリックス、何か知っているの?知ってるなら教えて!
 もう、大変なんだから!」

「んっー、内緒にしてくれって言われたんだけどな・・・・・
 まぁー、クリス、君も、いるから丁度いいか!?
 クリスが前に進むチャンスかな?」

「何言ってるの?フェリックス?何でクリスが関係するのよ?」

「だって、クリスは、アル、一筋だったんだろ!?」

「・・・・・・・はい・・・・」と、私は答えた。

「じゃー、付いて来て。」と、フェリックス先生は歩き出した。
< 198 / 239 >

この作品をシェア

pagetop