輝く光の中で
私とマリーが案内されたのは、小児科病棟の遊戯室だった。

ガラス窓の端に三人で立つと

「あれを見てごらん」と、指を指した先には、殿下と万梨阿さんと
小さな男の子がいた。

男の子は、背中を向けていたので、顔が解らなかったが、マリーが

「お兄様、何で万梨阿さんとこんなところにいるの?」と、フェリックス
先生に尋ねた、次の瞬間、男の子がこちらを向いた。

「「・・・・・・・・・・」」衝撃だった。

「あの男の子・・・確か公園で・・・・・」と、マリーが言うと

「あぁー、なんか公園でぶつかったみたいだな!?アルも驚いてた。
 まぁー、見れば分かるよな。あの子は、アルの子だ。間違いない。」

「でも・・・似ているだけじゃ・・・・」

「ちゃんと、元老院達を説得するために、DNAも取ったよ!」

「「・・・・・・・・」」

三人で、遊戯室の三人を見ていたら、男の子が

「ぱーぱー」と言ったら、殿下が、

「万梨阿、聞いた!?今、パパって言ったよ!」と、大はしゃぎ

「全く、アルったら、泣かないでよ!」と、万梨阿さんが言うと

「だって、嬉しいじゃないか。輝は俺の事、ちゃんとわかって
 いるんだよなぁー」と、子供を抱っこし、キスをしていた。

「あの姿見たら、誰も何も言えないと思うよ!どうだマリー?」

「・・・・・・・・。」マリーは答えなかった。

「それに、アルは、万梨阿との結婚を許してもらえなかったら
 『王位継承権を放棄する』とまで言ってるよ!」

「えっ、お兄様、そこまで・・・・・。」

「それに、アルは万梨阿ちゃんが相手じゃなきゃ、子供は望めん!」

「えっ、それって・・・・・」

「そう言う事だ!分かるだろ・・・」

そうフェリックス先生は言い、三人でそこから離れた・・・・。
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