輝く光の中で
「君が、九条 万梨阿さんだね!?」

「はい、そうです。九条 万梨阿です。この度は、我社と
 提携していただき、ありがとうございました。
 また、私のような者が、講演会や勉強会をさせて頂いき
 光栄です。」

「イヤイヤ、君の事は、頭の中が古い、元老院達も褒めていたよ。
 若いのに、色んな知識もあるし、問題定義をすると、的確に
 答えてくれて、大変ためになったと聞いてる。
 まさか、君が、アルの探し人だったとはなぁー・・・」

「はい、私も驚きました。まさか、アルがこの国の王子とは・・・・
 あのー、今日は?」

「あぁー、昨夜マリーから君の事を聞いてね、会ってみたかったんだ。
 最近、アルは、宮殿に帰って来なくて、マンションにいるのか
 と思って、マリーに『仕事が忙しいのか?』と、聞いたら、
 仕事は、休暇を取っているっていうし、どうゆうことか、確認
 したら、偶然君に再会して、君と一緒にいる、と聞いたので
 私も、是非、君に会ってみたかったんだよ。」

「そうでしたか・・・。すみません。アルには宮殿に戻るように
 伝えます・・・。」

「否、それは良いんだ。ただこれから、どうするのか聞きたくて・・
 アルには、王室内で、そろそろ結婚を!と、言う声も上がっていて
 この国は、結婚年齢が若いんだよ。だからアルにも、という声が
 あって、実際、花嫁候補も何人かいるんだが、当のアルは、暫く
 ほっといてくれと、言われてね・・・君の事が忘れられなかった
 んだろうなぁー。私も、君に会って見て、アルが君に拘るのが
 分かった気がするよ・・・・」

その時、エーン・エーン・エーン・・・と輝が泣き始めた。

正直、この瞬間に泣かれるのは・・・・参ったなぁー。

「申し訳ありません。ちょっと失礼します・・・」

私は、輝の様子を見に、寝室へ向かった・・・・。
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