輝く光の中で
王室の別荘は、海と山の両方がある、高台に建っていた。

街からも、ちょっと離れている為か、静かで、自然の音しか
聞こえなかった。

昼間は、散歩したり、海で遊んだりしながら、あっという間に
時間が経ち、ご飯も、アルの好きだったものを、沢山作った。

夕食後は、二人でワインを飲みながら、まったりと時間を忘れて
過ごした。

輝も、環境が良かったのか、日に日に元気を取り戻し、日本を
出てから、また成長しているのがわかった。

言葉も、徐々に増え(何話しているか、解らないが)、歩く動作も
しっかりしてきたし、悪戯も増えてきた。

きっと日本に帰ると、お爺様たちが驚くだろう・・・・。

明日は、ホテルに戻り、明後日には、迎えが来るので、のんびりして
いられるのも、あと僅か・・・・。

多分、今が、私達にとって、一番時間に囚われない時を過ごしている
のだと思う・・・。

「アル、連れて来てくれて、ありがとう。」

「万梨阿、これからも出来るだけ、こういう時間を作って行こう。
 僕たちには、必要な時間だと思うんだ。」

「そうね、私たちにとっては大切なことかもしれないわね」

「愛してるよ! 万梨阿」

「アル、私も愛して・・・ と、言い終わらないうちに、アルの
キスが、落ちてきた。

それからは、蕩けるほどのキスをもらい、私もアルに沢山キスをした。

一晩中、お互いを求めあい、繋がり合って、最後は、いつの間にか
眠りに落ちていた・・・。


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