うそつきおおかみ
「ご飯今日作ってない。」

「まじで?」

「私ご飯食べる気しない。」

「え?

 でもキッチンにいっぱいなんか

 買ってあったよ。」

「そうだけど。

 もお、

 やる気失せた。」

「何作るところだったの?」

「ハンバーグ。」

「え、めっちゃ食べたいんだけど、

 すっげー今よだれでた。」

「ミー。」

そういって抱き寄せる。

「またこんな暗闇にして。」

キスをした。

「おなかすいたよ。」

お腹がクぅっと鳴っていた。

もお。

どうしようもないやつだ。

「ねえ、

 頼むからさ、

 ちゃんとなんでも

 話してよ。

 家は一緒に住みたいのね?

 でも仕事はちゃんと探すのね?

 貯金箱でも大切なお金なの。

 使うときは必ず許可をとって。」

うん。

うん。

彼はうなずいた。

仕方なく許す。

ハンバーグを作る。

おいしい!!

と食べる。

二日後、

ばれないように500円が使われていた。

私がチェックしているとも知らずに。

彼はあいかわらず、

そういう人だった。


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