うそつきおおかみ

かしこいひつじ

着信拒否はしなかった。

でも、彼から連絡はこない。

こちらからはもちろんしなかった。

彼の匂いの残る枕に、

顔をうずめて眠る。

後ろにいつもいた彼、

一緒に入ったお風呂。

全ての時間、

全ての瞬間が

愛おしいものだった。

一人で寝ていると、

涙が止まらない。

さみしい。

彼の手が、

もう一度私を抱きしめてくれたらいいのに。

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