月夜の翡翠と貴方【番外集】
「あなた方なら、こちらはいつでも大歓迎ですよ…!さあさあ、中へお入り下さい」
中へ通され、ジェイドとルトは玄関へ足を踏み入れた。
…ああ、変わっていない。
二ヶ月くらいしか経っていないのだから、当たり前かもしれないが。
「スジュナー!降りて来なさい、ルトさんとジェイドさんが訪ねてきてくれたよ」
二階にいるらしいスジュナを、ラサバが階段へ向かって呼んだ。
しかし、スジュナの返事が聞こえる前に、一階の奥からバタバタと物音がし始めた。
「ルトさんとジェイドさんって、あの方々!?えっ、ラサバ!?」
…見覚えのある銀髪が、さらりと揺れる。
奥から慌てた様子でこちらへ来た彼女は、私達の姿を見て目を見開いた。
「やだ、お久しぶり…!来てくれたのね!?」
「クランさん…」
美しく輝く銀髪が、彼女だという何よりの証拠である。