月夜の翡翠と貴方【番外集】


「…私、大好きよ。スジュナちゃんのこと」


スジュナは、私を強く抱きしめた。


「…スジュナも、大好き。おねえちゃん」


私は、笑う。


きっと今、そばで太陽が輝いているのだろうと、思いながら。







翌朝。

稽古が始まる前、劇団の皆がせわしなく動き回っているとき。

稽古場の隅で見学していたジェイドとルトのもとへ、気まずそうな顔をしたロゼが歩いてきた。



「どした?」

ルトが不思議そうな顔で、ロゼに声をかける。

…昨日、ふたりはなにを話したのだろう。

教会から戻ってきたルトに訊くと、『まぁ、スジュナちゃんと仲良くする気はあるみたいだよ』と答えただけで、詳しく教えてはくれなかった。

ロゼはその顔に眉を寄せて、ルトと私を交互に見る。


「…ちょっと、ついてきてくれませんか」


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