月夜の翡翠と貴方【番外集】
*最愛の妻へ
久しぶり。
君は、元気にしてるだろうか。
僕はそちらの世界のことはよく知らないから、君がどうしているかはわからないけど。
君がいなくなってから、僕の周りは大きく変わったよ。
まずうちの劇団が、遠くの街へ招かれるくらいには、有名になってね。
まぁ僕は、君を失ったショックでちょっとばかり落ち込んでいたから、ついていけなかったんだけれど。
それで、劇団の皆に心配をたくさんかけてしまった。
申し訳ないね。
全く、情けない。
『ラサバはもっと強くならなきゃだめよ』って、君はいつも言っていたね。
本当に、その通りだよ。
けど、僕は大切な宝物を見つけたんだ。
スジュナっていう、女の子だよ。
…ああ、勘違いしないでね。
女の子って言っても、まだ子供だからさ。
僕が浮気なんて、するわけないだろう?