月夜の翡翠と貴方【番外集】


「今日はどうしたのかしら」

そう言うと、ルトは「これからの仕事をさ」と言った。


「ジェイドも、俺と一緒に仕事することになったんだ。だから、まずは雑多な依頼からと思ってさ。なんか、いい話ないか?」

「…へえ」

ジェイドが、依頼屋の仕事を。

まぁ、ルトと一緒にいる以上、避けられない問題だとは思っていたけれど…

一緒に、ね。


「それなら、南の街にね…」

いいのがあるのよ、と言って、地図を取り出す。

まだ、簡単な依頼の方がいいだろう。

危ないものは避けるべきだ。

地図を指し、血の気のない依頼が集まる依頼所を教える。


この裏の世界の仕組みとしては、まず貴族や財のある平民などが、各地の依頼所へ依頼をしにいく。

そして依頼屋が依頼所に出向き、受ける依頼を決めることから始まるのだ。

それからは、依頼所から情報を受け取った『届け屋』が、依頼主から依頼屋への情報の橋渡しをすることで、依頼は成立。



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