月夜の翡翠と貴方【番外集】
少し視線を横に動かすと、見える男の姿。
目が合うと、彼は目を細めた。
「おはよ」
「………おは、よ…」
ガサ、と布の擦れる音を立てながら、私は起き上がった。
「………」
ぼうっとする頭を懸命に起こしながら、目をこする。
「眠い?」
隣で布をたたみながら、ルトが笑った。
「…ちょっとだけ」
そう言うと、何故か目を細める。
やはり、よくわからない主人だな、と思う。
「今日は、どこ行こうか」
ふたつめである、群青のテントをしまうと、森のなかでルトは昨日買った食物達を出した。