月夜の翡翠と貴方【番外集】
「たまたまこの港に用があったから、立ち寄ったんだけれど…まさかルトに会えるなんて、思わなかったよ」
感動の再会だね、と言うレンウに、ルトは「最悪」と言う。
…あまり仲が良いようには見えないが…
「全くもう、厳しいねえ」
やれやれと肩を竦めるレンウに、ルトはひとつため息をついて「トイレ行って来る」と立ち上がった。
そのまま向こうへ歩き出そうとして、くる、とこちらへ振り返る。
「…ジェイドになにもするなよ」
充分にレンウを睨んだあと、ルトは席を離れていった。