月夜の翡翠と貴方【番外集】
私はその目を、そらすことは出来ない。許されない。
強い瞳で、見つめ返さなくてはならない。
「…どうとでも、疑って下さって構いません。ですが…」
これだけは、言っておかなくてはならない。
「ルトの隣にいることだけは、絶対に譲れません」
はっきりと。
これだけは、意志をもって言えること。
レンウは私の目をじっと見たあと、ふ、と意味ありげに笑った。
「…いい目をしてるね」
「よく言われます」
「はは。いいね、すごく面白いよ」
皮肉こそ含んでいるものの、なんとか先程の敵意は和らげてくれたようだ。