月夜の翡翠と貴方【番外集】
…ああ、なんだか嫌な予感がする。
その答えが、彼にとって望んでいたものだったのだろう。
レンウは「じゃあ」と嬉しそうに口を開いた。
「僕もご一緒させてもらおうかな」
…やはりか。
ルトは、これ以上ないほどに嫌な顔をする。
反面レンウの顔は、有無を言わさない笑みに満ちていた。
*
「君と共にする夜なんて、何年ぶりだろうねえ、ルト」
部屋のテラスから三日月を見上げながら、レンウはうっとりとした笑みでルトを見た。
あれから数時間。
ルトの必死の訴えにより、レンウの部屋は別となった。
しかし『寝るまでだから』などと言って、こちらの部屋に来ているレンウ。
「気持ち悪い言い方するなよ…」
レンウとの話し合いで疲れたのか、ルトはベッドに沈んでいた。