月夜の翡翠と貴方【番外集】


「…じゃあ、お言葉に甘えて」


そう笑うと、セルシアは可愛らしく笑い返してくれた。





「どちらにしますか?」


部屋でセルシアが見せてくれたのは、小花柄が可愛らしい黄色のドレスと、黒の落ち着いたデザインのドレスだった。

…どちらにするかなんて、もう決まっている。

「黒の……」

「黄色で」

えっ。

横からそう口を挟んできたのは、ルトだった。

『黄色』と言った彼を、信じられない気持ちで見つめる。

するとルトは、ニヤっと笑って「何か文句でも?」と言ってきた。

「可愛いじゃん。たまにはこういうのも着てみたら?」

「……絶対、似合わない」

「似合う似合う。セルシア嬢、黄色でお願い」

不満を露わにする私を見て、セルシアはフフッと笑って「かしこまりましたわ」と言った。


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