月夜の翡翠と貴方【番外集】
その様子に、ルトとふたりで笑い合う。
ネオもまた瞳を輝かせ、「そうよ!」とその場で跳ねた。
「だから、ルトさん、ジェイドさん!お金なら後からいくらでもお返しするから、お祭りに行きましょう!」
ネオは、あどけない瞳を一心にルトへ向けた。
タツビも、期待の眼差しでルトを見ている。
ルトは面白そうに笑いながら、「ハイハイ、いいよ」と言った。
「けど、俺らは今から五日後にはコーロに着くよう、頼まれてるからな。パラべまで急ぐぞ?」
ルトの言葉に、ネオは顔を明るくさせて微笑んだ。
「もちろんわかってるわ!ふふふ、楽しみ〜!」
ネオは、飛び跳ねんばかりに歩く。
タツビも先ほどより、ずっと表情が明るい。
…これから五日間、このふたりと共に行動する。
どうか何事もなく、ふたりをコーロヘ送り届けることができるよう。
*
夕暮れ時に着いたケボウの隣町の宿で、私達は一泊することにした。
「ねえねえジェイドさん、その髪の色、生まれつきなの?とっても綺麗ねっ」
寝台に寝転んだネオが、椅子に腰掛ける私を見て、そう言った。
その隣の寝台でウトウトしていたタツビが、「それ、オレも気になってた!」と飛び起きてくる。
私は戸惑いながらも、「うん」と返事をした。