月夜の翡翠と貴方【番外集】
逃して。私の不安を、見つけないで。
「…ちゃんと、言って。なんでもいいから」
優しくされると、わからなくなる。
なにもできない。
私はルトのために、なにもできないのに。
「…言ってくれなきゃ、わからない。大切なんだよ、ジェイドが…」
「なん、で…………?」
頬に涙が流れ、声は震える。
ついに、声にしてしまった。
なんて、弱い私。
ルトの言葉を遮って、私は私の弱さに負けた。
震えた声で言った問いの言葉に、ルトは眉を寄せる。
「…なんで、って、なにが…?」
レンウに散々言われて、当然だ。
こんな弱い女、ルトの隣にいるべきではない。