月夜の翡翠と貴方【番外集】
笑う、相棒、私のもの
翌日の朝は、なんとも目覚めが悪かった。
起きてみれば、やはり彼の姿はどこにもなく。
さらに、昨夜はなかなか寝付けず、睡眠が足りていない。
「……………はぁ」
思わず、ベッドの上でため息をつく。
…言うつもりは、なかった。
なんて。
…もう遅い。
吐き出してしまった本音は、もうどうしようもない。
…どう、思っただろうか。
ルトは、私の不安を聞いて、どう思っただろうか。
彼はそれでも『離さない』と言ってくれた。
優しい彼は、それでも私に言葉をくれた。
…悲しげな、顔をして。
もう、こんなことにはならないように、と思っていたのに。
ルトは一度機嫌を損ねると、かなり面倒だということは、前回学んでいる。